WordPressブログのためのレンタルサーバー選定の考え方

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初めてウェブサイトを開設しようとするときのレンタルサーバー選びは難関です。

インターネットでウェブサイトを公開するためにはレンタルサーバーが必要になりますが、レンタルサーバーの会社は多くそして各レンタルサーバーが展開しているプランもいろいろあります。どれを選んで良いのやら、選択を間違えるとあとあと面倒なことになりそうと思われるかもしれません。

最適なレンタルサーバーはウェブサイトの作り方やその目的・規模によって変わります。必要な機能以上のオーバースペックなレンタルサーバーを選ぶことはお金の無駄です。

もし金額の問題よりも、サーバーの使いやすさや機能、ウェブサイトの表示の速さを重視するなら ConoHa WINGがお薦めです。現時点での超最速級レンタルサーバーで、使い方も分かりやすく初心者でも困ることはないでしょう。ただし料金が最安プランでも 1,200円/月します(年額 14,400円)。

この記事では、レンタルサーバーの選び方のポイントをこれからウェブサイトを作ろうと思っている方へ向けて説明しています。考え方のひとつとして参考になれば幸いです。

基本的にサーバーの機能優先で検討していきますが、最終的に考慮されるのは料金だと思うので、まずいくらなら払えるのかを考えて予算の上限を決め、これから作ろうと思っているウェブサイトに必要な機能でプランの下限を決めていきます。

予算の上限を決める

ウェブサイトの公開期間は?

はじめに期間を決めるのは予算のためです(あるいは出費を覚悟するため)。決まった期間だけ公開するのであれば、少しくらい料金が高くても一時期だけの出費で済みますが、期間を定めない場合はずっと料金を払い続ける必要があります。

払える料金はいくらか?

月額 1,000円の料金なら、12,000円を毎年払うことになります。月額 200円のレンタルサーバーにしておけば年 2,400円で済むので費用が掛かりすぎる心配がなくなります。

レンタルサーバーの料金の幅は、無料〜10,000円/月ほどもあります。余裕を持って払える金額にしておきましょう。

あらかじめ予算決めておくと選定作業が楽

JETBOYのプラン

必要な機能でプランを決める

どのようにウェブサイトを作るかで必要な機能が異なり、ウェブサイトをいくつ作るかでレンタルサーバーのプランが変わってきます。

WordPressブログを作るなら、MySQL データベースを使うことができて、WordPressの設置(WordPressのインストール)が簡単に行えることが重要です。

検討したい主な機能

MySQL データベース
WordPressは「MySQL データベース」が必須。
ソフトウエアでサイトのデータを作り、それをサーバーにアップロードして公開するなら「MySQL データベース」は不要です。
WordPress インストール
現在では自動インストールに対応しているレンタルサーバーがほとんどです。クリック1回でデータベースの設置と合わせて行える場合や、初めからWordPressが準備されているレンタルサーバーもあります。
メールアドレス作成
レンタルサーバーで独自ドメインのメールアドレスを作ることができます。
SSL対応
SSL未対応サイトはブラウザに「安全でありません」「保護されていない通信」と表示されるため、ウェブサイトをSSL接続されるようにしておくのが望ましい。対応しているほとんどのレンタルサーバーでは無料でSSLサイトにすることができます。

SSL未対応サイトの「安全でありません」表示

SSL未対応サイトは「安全でありません」と表示される

必要に応じて検討する機能

ウェブサイトを2つ以上作りたいときや画像や動画データを大量に扱うウェブサイトを運営する場合は、さらに検討すべき項目が増えます。

MySQL データベースの設置可能数
MySQL1個につき、WordPress ブログを1つ作ることができます。
マルチドメイン
複数の独自ドメインを1つのレンタルサーバーで使える機能。「マルチドメイン ○個」「独自ドメイン ○個」のように表記されます。
サブドメイン
1つの独自ドメインを元にサブドメインと呼ばれる新しいドメインを作成できる機能。「サブドメイン ○個」のように作成できるサブドメイン数が表記されます。
サブドメイン作成機能を利用すれば、新たに独自ドメインを取得しなくてもサブドメイン毎に新しいウェブサイトを作ることができます。
ディスク容量(ディスクスペース)
ウェブサイトのデータを保存しておく容量。画像や動画を大量に扱うウェブサイトでなければ、10 GB で十分過ぎるほど。
スケールアップの可否
サーバー移転せずに上位プランに変更できるクラウド型のレンタルサーバーは、ウェブサイトの規模に合わせてレンタルサーバーの性能を上げていくことができます。

プランの選択の例

予算の上限と最低限の機能を決めてから、レンタルサーバー各社のプランから候補を選んでみましょう。ここでは例として、月額 1,000円未満で WordPressブログを作るという想定でプランの選択を行っています。

さくらのレンタルサーバ

候補は1プランのみ。WordPress 20個まで作れます。

サクラのプラン

ロリポップ!

2つのプランの違いは、WordPress ブログを2つ以上作るかどうか

ロリポップのプラン

コアサーバー

WordPress ブログを10個以上作るかどうか

コアサーバーのプラン

コアサーバーは月額 198円(税抜き年額 2,381円)で WordPressブログを10個まで作れるというコストパフォーマンスの良さが売りですが、自動バックアップや電話サポートがないことに注意。なお、手動でのバックアップとライブチャットや問い合わせフォームからのサポートは受けることができます。

スターサーバー

2つのプランの違いは、WordPress ブログを2つ以上作るかどうか

スターサーバーのプラン

スターサーバーの特徴は、サーバーのスケールアップ(上位プランへの変更)ができることです。サイトの規模が小さい間は料金の安い下位プランで運用しつつ、必要に応じて上位プランに変更することができます。サーバーの移転を伴わないので手間が少なく経済的です。

JETBOY

3つのプランの違いは、WordPress ブログの数とアクセス数の違い

JETBOYのプラン

JETBOYはサーバー移転をせずにスケールアップできるのが特徴。最下位プラン(月額 290円)でも WordPressブログを3つ作ることができます。LiteSpeed採用の最速級のWebサーバーです。

検討

例に挙げたレンタルサーバーの中だと、JETBOYが良いように思います。最速級サーバーなのに低価格な上、サイト規模が大きくなってもスケールアップで対応できるのが利点です。ただし、WordPress ブログを4個以上作ろうと考えているか、できるだけ費用を抑えたいなら、コアサーバーがコストパフォーマンスに優れます。

JETBOYとコアサーバーの最下位プラン比較
年額 初期費用 WordPress
JETBOY 3,480 円 1,000 円
キャンペーン中
500 円
3 個まで
コアサーバー 2,381 円 不要 10 個まで

レンタルサーバー選びは、いくつかの候補を揃えてから、すべての機能、サポート体制(電話サポートがあるか、メール問い合わせのみ等)、マニュアルの充実度、レンタルサーバーのユーザーによる情報がネットで得やすいかなどを調べて比較検討していくのがいいでしょう。