MacProのHDDの選び方
この記事は、HDDが内蔵可能なタワー型MacProについてです。対象モデル:MacPro, Early 2008, Early 2009, Mid 2010, Mid 2012
HDDが4台積める
MacProのHDD(ハード・ディスク・ドライブ)増設はとても簡単。買ったままで1台だけしか使っていないという人には増設をお薦めします。HDDを4台まで内蔵することができます。
HDDを内蔵して使う利点:
- 新たに置き場所が要らない
- 電源ケーブル不要
- 接続ケーブル不要
- コピー、保存などの速度が速い
- 目的に応じてHDDを選べる
欠点は、HDDのみの持ち運びができない、取り付けと設定の手間が少し掛かることです。でも、手間といっても本当に少しだけ!
MacProで使えるHDD
製品としてのHDDは特定OS向けに作られている訳ではないので、Mac専用HDDというものはありません。HDDを初期化(フォーマット)したときに、Mac用、Windows用が決まります。また、初期化した後でもフォーマットし直せば、Mac用、Windows用を切り替えることもできます。
大きさの規格
- 3.5インチ:大容量、高速、大型
- 2.5インチ:軽量、小型
MacProは3.5インチを使います。2.5インチを3.5インチサイズにするドライブマウンター(変換アダプター)を使うことで、2.5インチHDD(あるいはSSD)も使うことができます。
接続方式
- Serial-ATA(別名:SATA、シリアルATA)
- Ultra-ATA(別名:UATA、ウルトラATA、PATA、パラレルATA、IDE)
- SAS
- SCSI
MacPro は Serial-ATAを使います。もし、MacPro RAIDカードが装着されていれば、SASドライブを使うこともできます。
Serial-ATAの転送速度
- 1.5 Gbps
- 3.0 Gbps
- 6.0 Gbps
MacProはSerial-ATA 3.0 Gbps対応。異なる転送速度規格のHDDを繋いだ場合は、MacProかHDDの遅い方の速度になります。
回転速度(rpm = 回転/分)
- 10,000 rpm
- 7,200 rpm
- 5,400 rpm
HDDの速さには、回転速度が最も影響します! 速度が上がるほど、アプリの動作やコピーなどが早くなり、操作性が高くなります。
起動ドライブ(OS・アプリケーション)、作業用ドライブは、10,000 〜 7,200 rpm、データ保管用には、7,200 〜 5,400 rpmを使うのが良いでしょう。
言い方をかえると、データ保管用に10,000 rpmはお金のムダ、起動ドライブに 5,400 rpmはMacProの性能が勿体ないです。
キャッシュ容量
- 16MB
- 32MB
- 64MB
キャッシュとはHDDに入っているメモリ。同じHDDなら容量の大きい方が速いっぽいですが、体感的にあまり変わらない気がします。作業内容によっては差が出るのかもしれません。
販売店ではこれらの規格を並べて「3.5インチ SATA/3Gbps 7,200rpm 64MB」と表記していたりします。
Amazonストアの表記例:
Seagate BarraCuda 3.5″ 2TB 内蔵ハードディスク HDD 2年保証 6Gb/s 256MB 7200rpm 正規代理店品 ST2000DM008
使用目的から決める
回転速度が速いとコピー・ファイルの保存などが速くなり作業効率が向上します。ただし、回転速度が上がれば発熱と騒音は増し、価格も高くなります。
データを置いておくだけなら低速で静かで発熱が少ないHDDを、作業用として使うなら静音・価格を犠牲にしても高速回転HDDを、というように使い分けるのが良いでしょう。
速度を最重視する
近年までは、HDD最速の10,000rpmがお薦め! ……だったのですが、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の低価格化により購入しにくい(販売されていてもたいへん高額)ので、現在ではSSDをお薦めします。
データの収納容量はまだまだHDDが有利ですが、容量が比較的少なくてすむ起動ドライブにはSSDが断然有利です。
速度と容量を重視する
高速転送可能で高容量HDDが作業効率を高めます。容量は必要なサイズを選ぶことができます。
ただし、容量3TB以上のHDDは MacPro取り付け用のネジ穴が浅い可能性があるため、その場合はドライブキャリアのネジを短く削る必要があります。
参考:MacPro用にWD Se 3TBを買ったけれど…(ドライブキャリアのネジを削るの巻)
また、8TB超の大容量のHDDは MacPro取り付け用のネジ穴位置が従来のものとは異なっているため、通常の方法では取り付けができません。とりあえず 4TBまではネジ穴位置は従来と同じですが、5TB以上 8TB未満のHDDは購入したことがないのでネジ穴位置がどのようになっているか不明です。
容量を重視する
データ保存用には容量を優先したモデルが有利。転送速度(HDDの回転速度)は速いほうが、保存に掛かる時間が短くなりますが、回転速度に比例して価格も高くなるので、コストパフォーマンスを重視するか作業時間の短縮を重視するかで選ぶHDDを決めましょう。
おすすめのSSDとHDD
SSDにも大きさ規格がいろいろありますが、旧MacProに積めるのはドライブキャリアに装着できる2.5インチタイプのみです。このタイプがもっとも多くの種類が販売されています。
起動ドライブにはSSDを強くおすすめします。HDDに比べて操作性がまったく違います。
ほかにも、SanDisk も SSDのメジャーブランドです。従来は、HDDのみだった Western Digital や Seagate などのメーカーも近年は SSD を販売するようになりました。
データの保存には、HDDがおすすめです。容量あたりの価格がSSDに比べて安価です。
7200rpmなのでコピーしたり保存したりする動作が比較的速いので、作業用ドライブとして最適です。速度だけをみるとSSDには負けますが、大容量データを扱うのであればHDDがおすすめです。
スポンサーリンク