iMac購入時にCTOの構成パーツをどう選ぶか

iMacは基本モデルの他に主要パーツを選んで注文すること(カスタマイズ注文、Custom To Order の頭文字を並べて CTO とも呼ばれる)もでき、ディスプレイ、プロセッサ、メモリ、グラフィックス、ストレージの選択でiMacの性能を決めることができます。

また、Appleストアでは別売りモニタスタンド/アーム等に取り付けることができるVESAマウント仕様のiMacも販売されています。

iMac – Apple(日本)

iMac

自由な構成のiMacにできる反面、組み合わせ方が多すぎるのでパソコンに詳しくない人や初めてiMacを購入しようとする人には何をどう選んで良いのやらと悩んでしまうことがあるかもしれません。

この記事では私がiMac(2017モデル)購入時に考えたことについて書いています。この選び方が万人に当てはまるわけではないですが、ひとつの考え方として参考になれば幸いです。

「iMacを使う目的」から考える

目的のためにどの性能を重視するかで重要パーツが決まり、そのパーツでカスタマイズの自由度が低いものから順番に構成パーツを決めていきます。

私のiMac使用目的は「画像編集 & テザー撮影のモニタ」なので、ディスプレイ、CPU、GPUが性能を決める重要パーツになります。

目的のひとつに挙げている「テザー撮影」というのは、写真撮影時にカメラとパソコンを繋いで撮影することです(繋ぐ=tether)。撮影画像をリアルタイムで表示させていくので描画処理速度が最重要で、iMacを撮影場所まで運搬する為、可搬性も課題になります。

グラフィックス/GPU

GPUはカスタマイズができない(GPUはモデル毎に固定されている)ので、これから検討を始めました。

gpu-lineup

GPUVRAMディスプレイ
Intel Iris Plus Graphics 64021.5インチ
Radeon Pro 5552GB21.5インチ Retina
Radeon Pro 5604GB21.5インチ Retina
Radeon Pro 5704GB27インチ Retina
Radeon Pro 5754GB27インチ Retina
Radeon Pro 5808GB27インチ Retina

iMac本体のメモリ(RAM)とは別にGPU自体に専用メモリ(VRAM)が搭載されていて、GPUの計算能力と合わせてVRAM量も重要な性能のひとつです。Photoshop CC 2017ではVRAM 2 GB 以上が推奨されています。

VRAMで検討すると、2GB, 4GB, 8GBの違いになる。2GBだと推奨スペックぎりぎりなので将来的なことを考えるとVRAM 4GB以上のGPUにしたい。

次は、ディスプレイを検討します。CPU、メモリ、HDD/SSDは自由にカスタマイズできるのでもっと後で選んで大丈夫。カスタマイズできないものから順に決めていきます。

ディスプレイ/4K or 5K

iMac

iMacのモデル選定においては「21.5インチ」と「27インチ」のどちらがベターか、というのは多くの人が考えるポイントです。画面の広さについて悩むなら大は小を兼ねるということで大きい方がいいと思いますが……。ディスプレイが異なるとそれに伴って各部仕様も違ってくるのでそれらについて検討します。

21.5インチ27インチ
画面解像度4k:
4,096 x 2,304 ピクセル
5k:
5,120 x 2,880 ピクセル
外形寸法幅:52.8 cm
高さ:45.0 cm
奥行き:17.5 cm
幅:65.0 cm
高さ:51.6 cm
奥行き:20.3 cm
重さ5.66 kg9.44 kg
消費電力[*参考]161 W217 W
メモリ制限32 GB まで64 GB まで
ストレージ制限SSD 1TB までSSD 2TB まで

*参考 iMac の電力消費と熱出力情報より

さらに、27インチモデルでは「最高性能のCPU & GPUを搭載可能」「ユーザーによるメモリ増設可能」という利点もあります。

検討

現在、テザー撮影モニターで使っているEIZO L997(幅 472 × 最小高さ 459 × 奥行き 208.5mm)より一回り大きいのが21.5インチiMac、今使っているメインモニタは幅 55 cmほどなので、21.5インチ iMacと同じくらい。27インチだと幅 65 cmでさらに一回り大きい。これでサイズ感がわかる。

「テザー撮影」のために持ち運ぶことを考えると27インチiMacは大きくて面倒ではないか? 21.5インチiMacでも性能は問題ないだろう……といろいろ思案。27インチの画面の広さよりも21.5インチの運搬性能の高さ(楽さ)に惹かれる

27インチの利点はテザー撮影の時の見栄えがするということなのだが、普段使いとしてその大きさは絶対に必要というわけでもないし、今使っているカラーマネジメントモニターの方がRetinaディスプレイより信頼性があるので、ツインモニタで使うかもしれず2台を並べるなら27インチでは設置スペースが足りるだろうか。等々。

あと、テザー撮影ではiMacを縦位置で使いたいのでVESAマウントモデルにするつもりなのだが、27インチだと適合するモニタスタンドがあるのかという心配がある。一応使えそうなものはあったが大型ゆえ運搬ケースの心配もある。ちなみにモニターアームは取り付け場所を選ぶので、どこにでも置くことができるモニタスタンドが好ましい。

運搬性能の高さ、大き過ぎないサイズ、適合するモニタースタンドの存在を優先して、21.5インチを選択した。もし、持ち運ばないで、iMacを唯一のディスプレイとするなら27インチを選んだと思う。

ここまでで「21.5インチ/Radeon Pro 560」が基本モデルになるということが決まったので、次からは各部パーツを選んでいきます。

プロセッサ/CPU

基本構成:Intel Core i5 3.4GHz 4コア

cpu

CPUは上位バージョンの「Intel Core i7 3.6GHz 4コア」に変更できる。両者の大きな違いはCore i7が Hyper-Threading対応で、4コアが8コアとして動くということ。

コア数が多い方が同時に処理できる性能は高いので Core i7を選択

メモリ

基本構成:8GB

memory

21.5インチiMacはユーザーによるメモリ増設ができないので、注文時にメモリを増設しておく必要がある。基本の8GBメモリでは画像処理には心許ないので、16 GB あるいは 32 GBを選ぶことになる。

Photoshop CC 2017の推奨スペックはメモリ 8GB 以上。ひとつのアプリで8GBを要求されるので複数アプリを起動させて使うことを想定すると、メモリを多く積んでおくほうが余裕が生まれる。

16 GBしか積めないなら仕方ないが(MacBook Proは 16 GBが上限)、せっかく 32 GB使えるならと32 GBを選択

メモリ 8 GBでも動かないということはないが、場合によっては動作が遅くなる。27インチモデルだとユーザーの増設が可能なので、メモリ量が必要になった、あるいはメモリの価格が下がった頃に増設するということができるので有利。

ストレージ/SSD

基本構成:1TB Fusion Drive

storage

基本の1TB Fusion Driveから、SSDの256GB/512GB/1TBに変更可能。今使っているMacBook ProではmacOSと各種アプリで160GBほどを使用しているので、作業データとテザー撮影のための容量を考慮すると512GBあれば充分。

しかしながら、Appleストア画面でSSD 512GBに変更すると「出荷日:3〜4週間」となってしまった。それ以外の1TB Fusion DriveとSSD 256GB/1TBでは納期が早いが、SSD 256GBは必要容量ぎりぎりなので避けたい、1TBあれば各種データ保存、作業領域としても余裕ができるが……。MacProとMacBook ProでSSDの快適性に慣れきっているのでFusion Drive(ちょっとだけ早いHDDという認識)という選択肢はない。

そこで、納期の早さと作業の快適性から、SSD 1TBを選択

iMacのCTO構成

ここまでで使用目的にあった選択をして、iMacのパーツ構成を考えました。これが私にとっての理想のiMacです。

理想標準構成
VESA マウントモデル標準 iMac
ディスプレイ21.5インチ Retina 4K21.5インチ Retina 4K
プロセッサIntel Core i7 3.6GHz 4coreIntel Core i5 3.4GHz 4core
メモリ32 GB8 GB
ストレージ1TB SSD1TB Fusion Drive
グラフィックスRadeon Pro 560(4GB VRAM)Radeon Pro 560(4GB VRAM)

perfect

見直し/整理

最後に購入価格を確認して再考します。払える金額ならその構成のまま購入するのがベスト、価格を下げたいときはどこを我慢するか検討しましょう。

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