Google マップビューの360°全周パノラマ写真に方角を設定する方法
Google マップビューのサイトが閉鎖されたため、一部の内容が正確でない可能性があります。
Google マップビューに投稿したパノラマ写真は、Google マップ、ストリートビューなどにも使われます。写真を情報として活用させるために正確な撮影地点と方角をメタデータに入れておくことは重要です。
写真の公開後に方角を設定することはできないので、Photo Sphere写真を作るときにメタデータに入力しておく必要があります。
この記事は、パノラマ合成ソフトウェアで作成するパノラマ写真について書いています。スマートフォンのアプリで撮影するパノラマ写真には当てはまらないことがあります。
撮影地点を確定させる
方角を決めるためには 正確な位置情報は絶対条件です。
全周パノラマ写真は撮影した後からでも場所がはっきりわかるので、道路や建物があり地図上で位置を示しやすいものがあるときは特に問題ないでしょう。目標となるものがない場合は、撮影時にGPSで位置情報を記録しておきます。
位置情報の数値は、Google マップで緯度経度データが取得できます。
- Google マップで右クリック「この場所について」
©2014 Google, ZENRIN - 緯度経度(hddd.ddddd°)が出るので、この数値をクリック
©2014 Google, ZENRIN - 検索欄の数値をコピーする。
©2014 Google, ZENRIN - 数値を入力(PTGui)
- 一度保存すれば数値の形式は変換(→hddd°mm’ss.ss”)されます。
人工物がない山中や原野、海岸などではGPS機器(GPSアプリ)を使って位置情報を記録します。
方角を調べる
撮影地点が決まれば、次は方角を設定します。
PTGuiで方角を設定しない(ゼロを入力)場合は、写真の中心が北になります。Google マップでは、パノラマ写真を見せるだけでなく地図と連動して表示されるので方角が間違っていると情報としての信頼性に劣ります。方角は正しく設定しましょう。
ランドマークが写っている場合
遠景にランドマーク(ビル、タワー、山など)が写っている場合は、それを基準にして方角を調べることができます。
ランドマークをエクイレクタングラー写真の中心にする例で説明します。
- 京都の大文字山で撮ったパノラマ写真です
- 京都タワーを写真の中心にしますが、遠景で判りづらかったために、タワーに印をつけた写真で位置合わせ後に、印がない写真に差し替えました。
- Google マップのスクリーンショットを撮り、写真の中心(京都タワー)と撮影地点間に直線を引き、ものさしツール(Photoshop)で角度を測ります。
©2014 Google, ZENRIN - ものさしツールを使わないときは、中心線と、撮影地点から地図の上方向(北)に直線を引き、北から写真の中心までの角度をモニタ(またはプリント)に分度器を当てて測ります。
©2014 Google, ZENRIN - 角度を入力します(PTGui)
ランドマーク以外を写真の中心にする場合は、後述の「太陽の位置から方角を計算する」を参考にしてください。
ランドマークがない場合
近景に建物や道路が写っているが ランドマークがない場合は、とりあえず想定される角度を入力してPhoto Sphere写真を作り、いったん公開(→ 即削除)してGoogle マップビューの地図と比較して角度を求めます。
- 近距離の被写体です。
伏見稲荷大社 薬力社のパノラマ - 写真の中心はガイド線を引いている位置。
- とりあえず数値を入力します。初めはゼロでも良いですが、うまくいけば一度ですむこともあるので想定される値を入れるのをお勧めします。
- 通常の手順で公開します。
- 左下にある地図上にカーソルを乗せると拡大縮小ボタンが現れるので、+を数回クリックして地図を拡大します。
- 道を画面の中心にした状態で画面のスクリーンショットを撮ります。
- 下の画像は、分かりやすくするために地図部分を拡大しています。地図上のアイコンは撮影者自身で、とがっている方向は視線なのですが…。
- 現在のアイコンの向きと 正しいアイコンの向きの角度を測ります。
©2014 Google - 測り方はいろいろ。分度器でもよし、手順と計算がすこし面倒ですがものさしツール(Photoshop)も使えます。
©2014 Google - このときの角度は 115°だったので 正しい値を入力し直します。
- スクリーンショットを撮るためにアップロードした画像を削除して、正しい方角の写真を公開し直します。
太陽を写真の中心にする
- 太陽の輪郭が分かりやすい露出アンダー写真で位置合わせをしてから写真を差し替えます。
井の頭池のパノラマ - Exifで撮影日、撮影時間を確認しておきます。
- 太陽高度(一日の変化)- 高精度計算サイトで、その写真が撮影された時の太陽の方位を調べます。
- 方位を入力します(PTGui)
太陽の位置から方角を計算する
1カ所の方位がわかれば、写真の中心をどこにしても計算で方角の設定ができます。
- 大きさが、10,000 x 5,000ピクセルの画像で説明します。
名古屋城のパノラマ - 写真の中心は 天守閣の金のしゃちほこです。
- 太陽高度(一日の変化)- 高精度計算サイトで太陽の方位を求めます。
>>> 太陽は真北から 223°の角度。 - 写真の中心と 太陽の位置にガイド線を引き、この距離をものさしツール(Photoshop)で測ります。
- 全周360°を 横幅 10,000ピクセルで表示するので、1ピクセル = 0.036°、
この例では4,772 ピクセルだったので、4,772 x 0.036 = 172° となります。 - よって、 223° – 172° = 51°
- 場合によって足したり引いたり計算式がややこしいかもしれません。撮影位置を中心に地図で考えると理解しやすいと思います。
©2014 Google, ZENRIN
周りに何もない場合
周りに何もないか、すべて同じような風景の時はコンパス(方位磁石)を撮影時に写しておきます。ただ通常のコンパスは針がやや西に傾いている(西偏)ので若干修正が必要です。
人工物がない場合はGPSの位置記録も必要です。
撮影地点で周りの風景もわかるようにコンパスを写します。
本栖風穴 第一のパノラマ
確認
公開後に地図と比較して方角があっているか確認しましょう。
- Google マップビューのパノラマ写真ページ左下にある地図を拡大します。+, -ボタンは地図にカーソルをのせると現れます。
©2014 Google - 地図を拡大して、アイコンとパノラマの動きが正しく合っているか確認します。
近江大橋のパノラマ(上記画像のページは閉鎖したため、リンク先は Google マップ内のパノラマ画像です) - 動きが合っていない場合は、入力した方角の値が間違っているので正しく設定し直します。
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