キャリブレータは劣化する

いままで使っていたキャリブレータの i1 Display

i1 Display

キャリブレータがあれば永久に正しい色に調整してくれる、これさえあればOKと信じていたのですが、どうやらそうでもないようです。キャリブレータは徐々に劣化していき、精度に問題が出てきます。

今まで使っていたキャリブレータは、i1 Displayという機種で、モニタは EIZO FlexScan L997を使っています。これはハードウエア・キャリブレーション未対応なので、ソフトウエア・キャリブレーションで手動でRGBと輝度を調整する訳ですが、ときどき輝度調整の数値が大きく変わることがあったり、画像のハイライト部分が見えている以上に階調が残っていたりしていました。モニタではかなり白飛びしているのに、データ数値は結構あったりそんな感じ。

そして近頃、グレー一色のデスクトップやウインドウのグレーの部分など、本来ニュートラルなグレーに見えなければいけないところが微妙に赤く感じていて気になっていました。

数値的には正しく調整されているにもかかわらず、全体的に赤みがかって見える。スクリーンショットの色は見る人のモニタの発色に左右されるのでこのイメージ画像は少し大げさに表現しています。

これはどうやらキャリブレータの劣化で、解決策としてはキャリブレータを買い直すしかないようです(i1 Displayは精度の再調整は不可なため)。

そこで、買い直すならより高性能なキャリブレータを買う方が良いのではないか?と考えてみた。

初めてキャリブレータというものを知ったときの i1 Displayの上位機種は確か30万円だか50万円くらいして、とても買える値段ではなかったのが気がついたら15〜20万円とだいぶ安価になっていた。まあ、それでも結構するけれど。

i1 Displayを数年ごとに買い換えていくのが経済的だが、i1 Proを再校正しながら使っていく精度重視が良いかどうか。

精度劣化の想像図

キャリブレーターの買い換え

熟考の末(いや勢いで)i1 Proを購入。高性能モニターが買える値段なのだが、精度に不安を抱えたまま写真を撮るのも気持ち良くないし。

i1 Pro

新しいキャリブレータで調整した結果、画面の赤かぶりはなくなり、輝度も i1 Displayの調整よりは明るくしなくても大丈夫だった。輝度の違いがあったということは、最近の写真は自分が思っていたよりアンダーに仕上がっていたということだ!

この高精度キャリブレータでも精度を保つために年に一回は再校正にだせと取説には書かれていたけれど、なんと、再校正料 42,000円+納期 45〜60日。値段もさることながら、2ヶ月近くもキャリブレータがないというのは大問題。もう一台買わないと再校正にもだせない。代替を貸してくれないかな?

買い換え 再び

i1 Proの購入から数年して、再校正することもなく買い換えてしまった。i1 Displayのように明らかに何かがおかしいとは感じなかったが、長期間未校正のまま使っていていいのかどうか分からない。

42,000円なら下位機種のキャリブレータが買える……ということで購入。新機種の i1 Display Proの測定速度が今までの半分くらいで速くてビックリした。これからは i1 Display Pro買い換えサイクルでいこうと考えている。

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