写真を無断転載されているので然るべき対応を行いました
公開:
LINE株式会社が運営していた『NAVERまとめ』が 2020年9月30日に終了すると発表されました。🤣 NAVERまとめ、9月30日でサービス終了。「大変心苦しい限りですが…」 | ハフポスト(2020.7.1 追記)
今までは、サイトに公開している写真を勝手に使われたりしていてもそのまま放置していたのだけど、それだと盗用を黙認しているようにも、ネット上では著作権は関係ないなどと思われかねない。盗用の見逃しは次の盗用を生むかも知れないので、著作権侵害を各所へ報告することにした。
写真をパクられていても「抗議するのは面倒だし、そのままでもいいかなー」っていう人が多くて(私も)、それがネットの著作権侵害がなくならない原因なのかもと反省。
無断転載されている
私は当サイトのほかに、「トマソン」のサイトも公開していて、ここから多数の写真が複数のサイトに無断転載されています。
トマソンとは、赤瀬川原平氏が見いだした芸術概念で、不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物(「超芸術トマソン」 筑摩書房. ちくま文庫. 1987. p26)
と定義されているものです。ざっくりいうと町を歩いて面白いものを見つけてみよう、みたいなノリですね。
慣れてくれば結構簡単に発見できてなかなか楽しいのだけど、トマソンについて書くにあたって自分自身でトマソンを体験しないで、ネット上にある写真を盗んで並べるだけでいいかげんな記事を作るのは全然ダメ。盗みは犯罪であるという以外に、自分で見つけるのがトマソンの面白さなのにそれをせずにトマソンを伝える記事が書けるわけがないだろう!!!と強く思う。
そんな憤りもあって、トマソンの写真を無断転載しているキュレーションサイト(本物のキュレーターの方に申し訳ないのでこの用語を使いたくないがスミマセン)や個人サイトによる著作権侵害への対応を行いました。
盗用されている写真の見つけ方
人のサイトから写真を盗んで同じテーマの記事を作ったら、検索結果が近い順位になるかもしれなくて、それで盗みがバレると考えないのだろうか(もしかして馬鹿なの? それとも盗んでいる自覚がないのかな?)。
検索結果から盗用写真を偶然見つけることもあるけれど、画像検索をするのが簡単。盗人たちはテキストから画像を探しているのでは?と考えるのだけど、画像で画像を検索すれば一発で発見できます!
著作権侵害を報告
無断転載されている写真が削除されればいいのか、損害賠償を請求するなどはどうするか。盗用写真を削除してそれで終わりでもいいのかもしれないが、釈然としない気持ちは残るだろうと思うので、できることは一通りやってみる。
DMCA申請(DMCA侵害申し立て)
まず初めに、Google:著作権侵害による削除(Googleアカウントのログインが必要)から写真の無断転載による著作権侵害をGoogleへ通知。
記入する内容は以下の通りです。
- 著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明:
- 著作権侵害の事実を報告。
- 当該著作物が許可を受けて掲載されている場所:
- 原作があるページのURL
- 権利を侵害している著作物の場所:
- 盗用があるページのURL
事実の報告は、とりあえずGoogleの担当者に理解されればいいだろうとURLだけを書いてみたが、「○○まとめの記事(http://〜)に写真が勝手に使われています云々。」と具体的なサイト名を含めてを記入した方が、多くの人に状況が理解されやすいと思った。
申立人の名前は公開されるので、匿名でサイトを運営している人は通報しづらいか? 記入した名前が本名であるかどうかの証明は要求されなかったけどハンドルやペンネームでも良いのかは不明。
ただし、本通知に記載されている情報に偽りはありません。私は、偽証が処罰の対象であることを承知のうえで(以下省略)
を承諾しないと提出できないので、ペンネーム等が偽名(偽証)とされるなら後々問題になるかもしれない。
後日、Googleから、「原作コンテンツの著作権者であることを確認することができないため、それを証明するための文書が必要」との内容のメールがきた。第三者の申請を防ぐために必要なことだとは理解できたが、「著作権者を証明する文書」なんてものはない。サイト所有の証明は容易だけど、写真の著作者(撮影者)の証明は難しいと感じた。
メールには「サイト所有者であるのは掲載文で確認できるはずですが、写真そのものの著作権の証明はどのような手段を用いるべきですか?」と書いた。「トマソン写真はフィルム撮りなのでオリジナルのフィルムを要返却で送ることもできるし、また今回とは別に、デジタル撮影の場合は、オリジナルデータを渡すこともできるがデジタルデータゆえ複製される懸念があり躊躇する」とも。
数日後、「権利侵害をしているURLは数時間以内に Googleの検索結果から削除される」とのメール着。写真そのものの著作権の証明については返答はなかった。こちらが提示した証拠でGoogleとしては大丈夫ということだろう。これで、Googleで「トマソン」を検索しても著作権侵害を行っている該当記事は表示されなくなった。
著作権侵害を各サイトへ報告
Googleで検索できないということは記事がないも同然なのだけど、盗用写真を使った記事そのものは残っているのでサイト内検索やリンクでの移動があれば記事の閲覧はできる状態。
トマソンの写真は趣味で撮っているとはいえ、無断で転載されているので損害賠償金を払ってほしいところだけどどうなんだ? 無断使用に損害金をとらないなら、過去の写真でも撮影者に二次使用料を払ってくれる善良な会社に申し訳ない。
特に商業目的でサイトを開設しているなら、盗用写真で商売しているわけだから請求しておくかな。……ということで、著作権侵害の報告とともに無断使用の損害金を請求。もし、削除しないで掲載を継続するなら別に二次使用料を支払っていただき、盗用写真と区別するために「写真転載の許可をとっている」という一文を入れてくれるように依頼した。
著作権侵害の報告をしたのは大手キュレーションサイトの2つ、ギャザリーとNAVERまとめのみで、個人商店(零細キュレーションサイト含む)や個人ブログは見送ることにした。すでに更新を停止しているブログがいくつかあり連絡して無反応ならそれはそれで気に掛かるのと、写真を削除せずとも検索で出てこないのでそのままでいいかと。
ギャザリー
写真1点の無断転載だったが記事そのものが削除された。1点でも著作権侵害があるなら他の写真も疑わしいとギャザリー運営が判断したのかもしれない。
損害賠償については、著作権侵害の責任は投稿者にあるため直接連絡・請求していただきたいということで、それをするには発信者情報開示のための所定の書類を送付してほしいとのこと。ただし、開示請求を行っても必ずしも開示するとは限らないそうなので、記事削除と情報開示は基準が異なるということらしい。
ギャザリー投稿者の個人情報を開示請求するかは検討中。ところで、開示には請求期限があるものなのかな?
NAVERまとめ
写真4点の無断転載で写真のみが削除(NAVERまとめの回答では閲覧制限処理)された。きっと、その4点の写真だけの権利確認を怠っていたことが確認できたのだろう。知らんけど。
NAVERまとめへ求めた損害賠償については、プロバイダ責任制限法に「権利侵害を確認した時点で削除等の対応を行った場合は、損害賠償責任を負わない」という規定があるため、賠償請求には応じられないということだった。
「今後、閲覧制限が取り払われ掲載再開ということになれば、あらためて損害賠償を求めたい」と返答。
その後、NAVERまとめとは何度かのやりとりがあり、貴重なご意見「出典リンクが画像URLでも問題ない」等を伺い、非常に精神消耗したのでこれ以上の意見を送ることは諦めた。
出典の意味から説明しなくてはいけないと分かって……頭イタイ∋。