タイヤ溝の深さを測るデプスゲージでタイヤの安全限界を知る

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車バッテリーのCCAテスターを購入してから毎月バッテリー状態を測っているので、ついでにタイヤ溝も測ろうとタイヤ溝測定ゲージを購入。デジタル表示の測定ゲージも検討したが、いざ使うときに電池が減っていると面倒なので従来の目視タイプにした。

今までタイヤの交換は「なんとなくそろそろな感じ?」と結構いい加減だったので、どのくらいで交換するのがいいか調べてみた。

法律上の使用限界は溝の深さが1.6mmだが、さすがにここまで溝がないと制動距離がたいへんに長くなって、雨の日の高速走行ではハイドロプレーニング現象が起こりまくるに違いない。では、どのくらい溝があれば安全だろうか?

ハイドロプレーニング現象とは、走行中のタイヤが水膜の上に浮いて地面に接地しなくなる現象。その結果としてスリップ事故につながる。

制動距離

JAFが行ったテストによると、溝が浅くても乾いた路面では制動距離に変化はないが、濡れた路面になると制動距離が長くなる。スタッドレスタイヤではノーマルタイヤよりも溝が浅いことの影響が大きいという。

タイヤ溝の深さによる制動距離
タイヤ溝の深さ 乾いた路面 濡れた路面
3.1mm 新品タイヤと同等 1.7倍
4.7mm 新品タイヤと同等 新品タイヤと同等
雨天時に初めてわかる摩耗タイヤの危険性|JAFクルマ何でも質問箱より

ハイドロプレーニング現象

ブリヂストンによるテストでは、時速80kmで溝3.2mmではタイヤのかなりの部分が水膜の上に浮いてしまうという結果がでている。

また、このテスト結果では、新品タイヤであっても、時速100kmでタイヤがほとんどが水膜の上に浮き、時速80km走行でもタイヤの一部が浮いている状態になり、速度を60km/hにしてようやく完全接地するという。このことから、溝が深くても濡れた路面での速度の出し過ぎは危険だということが分かる。溝が浅いとさらに危険が増す。

ハイドロプレーニング現象のテスト結果
タイヤ溝の深さ 60km/h 80km/h 100km/h
新品タイヤ ほぼ完全に接地 一部浮いている ほとんど浮いている
3.2mm かなり浮いている
1.6mm ほとんど浮いている
溝深さ・走行速度とハイドロプレーニング現象|ブリヂストン株式会社より

ここで安全とされているのは「新品タイヤで60km/hの時」だけなので、溝が浅くなっていれば60km/hよりもさらに低速走行しないと危険ということが分かる。

タイヤ交換の目安

タイヤの点検│ダンロップタイヤによると、「残り約4mmから制動距離が伸び始めます」とあり、タイヤのお手入れ徹底ガイド│トーヨータイヤには、「タイヤの溝がほぼ半分摩耗した状態を境に、制動距離がぐんと長くなる」「タイヤの溝はセダン→8ミリ前後、ミニバン→9ミリ前後」と書かれている。

以上のことから、タイヤ溝の深さは4mmを安全上の使用限界とするのがいいだろう。