HOLGAの最短撮影距離
2008年4月6日
HOLGAの「1人マーク」で『ピントが合う距離』を調べます。
HOLGA120N付属のマニュアル、Some Simple Suggestionsには、8. Never take pictures with an object distance of less than 3.25ft.(3.25フィート以下で写真を撮らないでください)とあり、初代 HOLGA120Sの説明書には、Never take pictures at a distance of less than 5ft.(5フィート以下で写真を撮らないでください)と書かれています。
3.25ft > 0.9906メートル
5ft > 1.524メートル
ピント位置は「1人マーク」に固定。カメラを10cm刻みに遠ざけていってピントが合う距離を探します。距離は裏蓋(フィルム面)からフェンスの編み目までの距離です。
撮影距離100cmの時の全画面。
真ん中のテニスボールは画面中心を合わせるためにセットしていますが、パララックスの影響と撮影距離が長くなるのに従って中心に捉える精度が落ちるため画面中心は若干ズレています。
検証画像は画面中心部の拡大写真です。
撮影距離:80cm
ピンぼけ。
撮影距離:90cm
ピンぼけ。
撮影距離:100cm
ピンぼけ。
撮影距離:110cm
少しピンぼけ。
撮影距離:120cm
まあまあピントは合っている気がします。
撮影距離:130cm
ピントは合っている気がします。
撮影距離:140cm
ピントは合っている気がします。
撮影距離:150cm
ピントは合っている気がします。
撮影距離:160cm
ピントは合っている気がします。
撮影距離:170cm
ピントは合っている気がします。
撮影距離:180cm
まあまあピントは合っている気がします。
撮影距離:190cm
少しピンぼけ。
あきらかなピンぼけは100センチ以下。100センチ以上だとまあまあピントは合っている気がして、一番ピントが合っている状態が、130-170センチあたり。170センチ以上だとピントが悪くなる、という結果になりました。
フィルムを×15ルーペで確認しても、140-170センチがほぼ変わらずピントが合っていると感じました。
被写界深度を考慮すると実際の最短撮影距離は1.5メートルのようです。実用上は1.3メートルでも大丈夫そうです。
もちろん、写真のサイズが小さければピンぼけでもぼけているのが感じられないので実用上の最短撮影距離はさらに短くなります。
撮影距離80cmの画面全体。拡大するとピンぼけが分かるがこのサイズだとピンぼけは分からない。
撮った写真をこの大きさにしかしないのであれば、実用上の最短撮影距離は80センチ(もしくはそれ以下)ということになります。
撮影カット毎に裏蓋からフェンスまでの距離をメジャーで測っていますが、カメラを載せた三脚をずりずり後ずさりさせていく方式なので、当然誤差は生じます。カメラの個体差もあると思うので測定値と結果は参考程度にどうぞ。
テストはHOLGA120FN(プラスチックレンズ)でしたが、ガラスレンズは屈折率が異なると思われるので、違う結果になるかもしれません。
クローズアップレンズ使用時の撮影距離
クローズアップ撮影時のピントが合う距離もテストしてみました。
ケンコーの『CLOSE-UP NO.3』を使用。
ケンコーのクローズアップレンズのサイトには、
MC No.3
取り付けるレンズが∞のとき、撮影距離が33cm
この場合の撮影距離はフィルムからの距離なのか?よく分からない。
とりあえず、裏蓋からフェンスまでの距離を33センチにしてテスト撮影をする。
レンズの焦点距離は2種類。「山マーク(∞)」と「1人マーク」。
ピント位置が「山マーク」の画面全体。
検証画像は画面中心部の拡大写真です。
撮影距離:33cm、ピント位置:「山マーク」
ピンぼけ
撮影距離:33cm、ピント位置:「1人マーク」
まあまあピントは合っている気がします。
33cm前後でもっとピントの合う距離があるようなので、後日さらに詳しくテストしてみたいと思います。