写真を撮る人のモニタ選び

2008年5月17日

写真をきれいに見たい、正しい色で見たい、写真の色と階調を重視するときは、性能の良いモニタを選ぶことが必要です。

そこで、写真を撮る人のためのモニタを考えたいと思います。

モニタとディスプレイ

モニタ(monitor)は、ディスプレイ(display)ともいいます。

まわりを見てみると同じような意味で使っているようです。
とりあえず、このページでは「モニタ」で統一しています。

モニタ派

ディスプレイ派

モニタの性能を知る

まず、現在のモニタの性能(発色能力の違い)を確認してみます。

次は、HTML(ウェブページの記述言語)の色指定で色を表示させたものです。色の右側が指定しているカラーネームです。

カラーネーム指定に対応していない古いブラウザでは、色が表示されない可能性もあります。

  blue
  pink
  red
  orange
  yellow
  green

明確に色とその境界が見えるはずです。
次はどうでしょうか?同じくHTMLで指定しています。

  white
  snow
  floralwhite
  ivory
  azure
  mintcream
  honeydew

かなり薄い色ばかりですが、色のニュアンスまで感じることができるでしょうか?

snowは少しピンク、floralwhiteは少しオレンジ、ivoryは黄色みがかかって見えます。

さらに、次の画像データをダウンロード(右クリック > 対象をファイルに保存...)して、グラフィックソフトで表示させて見てください。

コントラスト・チェック

上段が白とやや暗い白、下段が黒とやや明るい黒の画像です。
それぞれの境界が見えるでしょうか?

もし、これらの境界が見えないということであれば、写真の明るい部分や暗い部分のグラデーションが、(本当は)見えていないということになります。

ちなみに私の環境では・・・
EIZO FlexscanL997では、すべて正しく見ることができますが、ラップトップのDELL XPSm1210は、HTML表示のwhiteとsnowの区別がつかず(他の色もニュアンスまではわからない)、白黒のパターンでは黒の区別がつきませんでした。

一般にラップトップやパソコン一体型のモニタは、省スペース、省電力を重視しているため発色に関してはあまり性能が良くありません。

単体モニタのほうが発色性能が高いので、色や階調を重視するなら単体の性能の良いモニタを使うべきです。

パソコンとの接続

パソコンはPC(Windows機)でもMacでもどちらでも良いです。色を正しく扱うためにはカラーキャリブレーション(後述)が必須なので、カラーキャリブレーションができるWindows機かMacであれば大丈夫です。

ただ、カラーキャリブレーションをしないで、パソコンの初期設定のまま使うとWindowsとMacでは色のニュアンスが違ってきます。

モニタとパソコンの接続には、モニタケーブル(ディスプレイケーブル)を使います。

接続する方式により、端子の形状に違いがあります。
現在、主に使われているのは、

の2つです。
VGA方式には、D-Sub 15ピン端子、ミニD-Sub 15ピン端子が使われていることが多いです。(DVI にはさらに種類がありますが、説明は省きます…)

また、古いMacだとADC(Apple Display Connector)というMac専用の端子が使われている場合もあります。現在のMacはすべてDVI 端子です。

パソコン[ DVI ]- - - - -モニタ[ DVI ]

パソコン[ VGA ]- - - - -モニタ[ VGA ]

といったように、同じ端子をそれぞれの専用ケーブルで接続します。
端子の形状が違う場合は、変換ケーブル(VGA- - -DVI)を使って、

パソコン[ VGA ]- - - - -モニタ[ DVI ]

というように接続することも可能です。

しかし、VGAはCRTモニタ時代に使われていた端子なので、DVI が標準の液晶モニタに接続すると表示が少し滲んだように見えます。

パソコンにVGA端子しかない場合でも、グラフィックカード(ビデオカード)をパソコンに追加または、交換することによりDVI 端子を追加することができる場合もあります。

モニタ一体型パソコンなどで、出力端子(出力ポート)がないパソコンは、単体モニタを接続して使うことはできません。

★グラフィックカードの性能によって、接続して使えるモニタの画面表示サイズが決まります。

性能の低いグラフィックカードだと、広い画面サイズのモニタを使うことができません。通常は、パソコンのスペック表に、グラフィックカードが対応している出力解像度が書かれているはずです。

または、モニタの仕様書に必要とするグラフィックカードの基準が書かれている場合もあります。

カラーキャリブレーション

カラーキャリブレーションとは、色を正しく調整する仕組みです。
調整には専用のハードウエアとソフトウエアを使います。

色域(色が再現できる範囲)が狭いモニタをカラーキャリブレーションしても、色域が広がるわけではありません。

色と階調の表現を重視し、正しく表示させるためには、色域が広く、カラーキャリブレーションをしたモニタが必須となります。

高性能モニタでも定期的にカラーキャリブレーションを行って色を調整する必要があります。

モニタ選びで重視するポイント

いまはCRTモニタは販売されていないので、新しく買うなら液晶モニタしかありません。

2、3年前までは液晶モニタも種類が少なくて、選ぶにも選択肢がなさ過ぎましたが、いまや種類がありすぎて何を買っていいか悩みます。

そこで、まず写真用に限定するならば、モニタメーカー各社の『カラーマネジメントモニタ』以外は、候補から外してよいと思います。

さらに、候補を絞り込んでいくために重視するポイントは、

「色域の広さ」は、AdobeRGB比xx%とか、目安が示されていることが多いので参考にするとよいでしょう。

「画面サイズ」は、広いほうが写真選び、レタッチなどの作業が楽です。しかし、グラフィックカードによる最大出力サイズとの兼ね合いもあります。すでに使用するパソコンが決まっている場合には、最初に重視すべきポイントです。

「入力端子の種類と数」は、DVI 端子やVGA端子の種類と数です。入力端子が2つ付いていれば、2台のパソコンを繋げて、モニタのチャンネルを切り替えることにより、2台の共通のモニタとして使うことができます。

「付属品」について。カラーキャリブレーションは必須なので、キャリブレータ(カラーキャリブレーションをするハードウエアとソフトウエアのセット)が付いていると金額的に有利です。モニタフードも同じく。

付属品で付いていない場合は、モニタとは別に購入する必要があります。
金額はキャリブレータとフードで約5万円くらいでしょうか。

カラーマネジメントモニター

2016/10/21 内容訂正:こちらに記事初出時(2008年5月)に発売されていたモニターの表を掲げていましたが、現在ではすべて販売中止されているため削除しました。

カラーマネジメントモニタ以外

カラーマネジメントモニタ以外を使う場合でも、カラーキャリブレーションは必須です。

例えば、画面の明るさが正しくないと、同じ露光状態の写真でも明るいモニタで見た時は露出オーバーに見え、暗いモニタで見た時は露出アンダーに見えてしまいます。

カラーキャリブレーションをすることで、色域が広がる訳ではありませんが色と輝度が信頼できるものになります。

i1 Display 2(後継機は i1Display Pro←メーカー製品リンク)というキャリブレータだと、販売価格約4万円くらい。安いモニタが買えてしまう値段ですが、モニタへの信頼度が高まります。

i1Display Pro

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